2010年5月24日月曜日

人材採用

2002年9月xx日
 初めての営業活動を行っていたちょうどその頃、以前の会社の元同僚が仕事を探していることを知りました。試しに新会社に誘ってみたところ、仲の良かった元同僚ということもありすんなりと話がまとまりました。(一般的に新会社がこのように人材を集めることは難しいでしょう。)
 ここで、また問題です。営業が初めてならば、人を雇うのも初めてです。どうしたら良いのかさっぱりわかりませんでしたが、さすがに人材採用についてはハウツー本が山ほど出版されており、それらを購入して活用することにしました。具体的には、下記のことを行いました。
・給料の決定
・従業員との雇用契約書の締結
・就業規則・給与規定の策定
・健康保険、厚生年金保険の加入手続き(社会保険事務所)
・雇用保険・労働保険の加入手続き(労働基準監督署)
・住民税の代理徴収と納付
 だいたいの手続きはハウツー本に書いてありますが、なかでも一番難しいのは給料の金額でした。なんといっても外資系企業相当の給料は逆立ちしても出せません。もちろん、元同僚も資本金1,000米ドルの会社がたくさん給料を払えるわけではないことを十分に承知していましたので、たいへんありがたいことに破格の給料で創業期を手伝ってもらえることになりました。
 ちなみに、その元同僚の自己紹介はこちらです。
 彼には、受注した仕事を任せてみることにし、私はまた別の仕事を探すことにしました。

2010年5月17日月曜日

取引口座の開設

2002年9月xx日
 取引口座の開設とは銀行に口座を開設することではなく、企業間の取引を行うための手続きです。一般に大企業が中小・零細企業と取引する際に、取引相手が信用できるかどうかを審査し、継続的な取引をするに値すると判断されると取引先として登録され「取引口座が開設された」状態になります。具体的には、大企業が中小・零細企業に商品を販売した際に売掛金が回収出来るか?中小・零細企業から商品を継続して購入出来るか?などを経理部や調達部などの調査担当者が判断します。そのために、下記の資料を要求される場合が多いでしょう。

・登記簿謄本(3ヶ月以内に発行されたもの)
・印鑑証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
・直近3年分の決算書
・取引先実績

 ここで直近3年分の決算書とありますが、これは最低でも3期は事業を継続しない限り用意できるものではありません。つまり、これは設立されたばかりの会社は信用がないことを意味します。当たり前といえば当たり前なのですが、私のような経営経験のない全くの素人が会社を作る場合を考えれば理由は明らかでしょう。しかしながら、大企業の社長といえども生まれながらにして経営経験を持っている人はこの世にはいません。名経営者と呼ばれる人たちですら最初はゼロからのスタートでしたので、これから起業される方も尻込みする必要は全くありません。そういう意味では、大学のサークルで経理をやっていたとか、アルバイトで店長をやっていたという経験があれば役に立つでしょう。
 上記は大企業側からの視点ですが、企業間ですからもちろんその逆もあります。零細企業が中小企業に対し、または中小企業が大企業に対し、信用(与信情報といいます)を要求する場合もあります。特に、零細・中小企業は潤沢なキャッシュ(現金)があるわけではなく、銀行から借り入れながら自転車操業をしている会社も多いでしょう。そんな状態で売掛金が回収できなくなれば、黒字なのに倒産してしまいます。よって、取引の前に売掛金が回収できるかどうかを判断するために、取引相手の決算情報などを要求することもあります。私も実際に以前の会社でこのような判断を迫られたこともあります。そのときの取引の検討相手は大手電機メーカーの系列企業だったのですが、新聞などで債務超過に陥っているであろうことが報道されており、売掛金を回収出来る保証がありませんでしたので大手電機メーカーの系列といえども結局取引することはありませんでした。
 ちなみに、このような与信情報を調査して提供するサービスを提供しているのが、帝国データバンクなどの民間調査会社です。大企業の中には帝国データバンクの企業コードを取得していなければ取引口座を開設しない企業もあります。つまり、審査の手間を省くために帝国データバンクの与信情報を使用しています。
 弊社の企業コードは、989809309です。また、開示情報は、こちらです。
 通常は何年もかかって信用を獲得してようやく証券取引所に上場しているような大企業と取引できるようになるのですが、弊社の場合は最初の顧客が上場大企業ですから幸運でした。これも以前の会社でそのお客様と信頼関係を築いていたからこそでしょう。もし、信頼関係がなかったら書類審査で落とされていたことに違いありません。
 数日後、発注書が郵送されてきました。

2010年5月15日土曜日

営業活動

またまた長期休暇をいただいてしまい、申し訳ありません。

2002年9月xx日
 さて、ようやく事業がスタートした次第ですが、一人ではやったこともなかった営業活動をしなければいけません。素人に営業活動が務まるのか?これは起業する人が皆抱える悩みかと思います。人は誰もが営業のスキルをもって生まれてくるわけではありません。という私も高校時代に高いラーメンの訪問販売のアルバイトをしたり(1日でやめましたが)、年末の鮮魚店で1週間ほど販売員をした程度です。
 しかし、ここで以前の会社での経験が役に立ちました。以前の会社では私は「フィールドアプリケーションエンジニア」という営業部所属の技術者だったからです。つまり、ときにはセールスマネージャあるいは本社のCEOに同行して営業活動を技術的に支援することが私の仕事だったからです。この活動により、営業の作法やノウハウを学ぶことができました。技術者ですから営業活動にはあまり興味はなかったのですが、やはり何度も何度も繰り返し同行していると自然に覚えてしまいます。ということで、見よう見まねで新会社での営業活動を始めました。
 また、幸運なこともありました。それは以前の会社を退職してからは、お世話になったお客様にあいさつ回りをしていたことです。つまり、この活動が実質的な営業活動になっていたわけです。そこで、「次は何をするの?」「小さな仕事だけど頼めない?」「人手不足だから手伝ってくれない?」というようなお話をいただいていました。
 まずは、そのなかの一社(大企業)と電子メールで話を進めましたが、見積書の書き方がわかりません。一昔前であれば、書店や図書館で調べたり、人にきいたりするところでしょうが、すでにネットの時代でしたので、検索してフリーの見積書作成ツールをダウンロードして使うことにしました。ここまでは、順調に進んだのですが、次に口座の開設が必要であると言われました。口座なら都市銀行に開設済みですが・・・その口座ではない?どういうものですか?営業の素人丸出しです。
 こんな状態で仕事を受注することができるのでしょうか?